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うた毛vol.33・アフターレポート [レポート]

1月最終土曜日、うた毛は4名の参加者をお迎えして無事開催しました。
まずはお茶とお菓子で始まりました。
温かいお茶はレピシエのフレーバーティ「夢」バニラと薔薇のあまーい薫り。でも味はすっきりしていて、しるこサンド(w)みたいな甘いお菓子とでも美味しく頂けました。
そして今回の詩人談義は「ウィリアム・カーロス・ウイリアムズ」。

20世紀前半から後半にかけて、アメリカの言葉による詩の可能性を追求したモダニズム詩人です。
今回、なんとなくチョイスした詩人だったのですが、私個人的に「びびび」とくるものがあり、読めば読む程、知れば知る程、興味深く、私自身のスタンスを探るヒントを持っているのでは!と大変興奮した状態での、鑑賞会でした。つっぱしりすぎたかな?

ウィリアムズは、仲間たちがアメリカを捨てて、ヨーロッパに渡って行く中、故郷アメリカの地方都市にとどまり、終生医者と詩人との二足のわらじを履きながら、身近な生活の中から生まれてくる詩を、生活の言葉を使って生み出して行きました。

彼のモットーとする「事物を離れて観念はない」という考え方通り、物事を淡々と描写する中に、彼の心の動きが浮き上がってくる作風にも、女将は大変魅かれてしまいました。

また、その作風は写実派の俳句の世界に近いものがあるのではないかとの意見も。

比較的短い作品を数点、回し読みしましたが、長編の詩「パターソン」「砂漠の音楽」なども高い評価を得ているそうですので、個人的に今後の読みたいリストにいれております。

それでは、最後に一編、代表的な作品を…


「赤い手押し車」

 思わず
 見とれる

 赤い車輪の
 手押し車

 雨水でツヤツヤ
 光っている

 そばには白い
 鶏たち


さてさて、詩人談義も終わり、とりあえず休憩といいつつ、おでんタイムです!
皆さん食べ放題を選んで、すっかりきれいに食べて頂き万々歳です。来る途中、タッパから汁が漏れて、テンションがた落ちだった思いも晴れましたw
さてさて、ここで話題になったのは、関西・関東のおでんの具の違い、でした。
関東ははんぺん、ちくわぶは当たり前ですが、関西というか四国出身の私やお店番のBさんからすると…むしろ宇和島じゃこ天のことをはんぺんと呼び、牛筋は当たり前に入っています。また、愛媛では、薬味にはからしではなく「おでんみそ」を使うのが当たり前なのですが、他でみたことありませんw しかし、女将は関東で「すじ」と言えば「魚のすじ」だという情報を聞いていたのですが、知らないという人がほとんど。誤報?まあ、なんか魚の練り物の一種らしいです。

そのあと、空房オーナーKaTZの演奏。永瀬さんのリクエストにより「オープンコードでエンドレスな曲を」ということで…。聴いているとどんどん瞑想モードに!ああ、音源を取り忘れました。

次は、初参加・ひえださんの朗読。「火星へ」(http://ameblo.jp/pionpion2010/entry-10710104761.html)。
宇宙の惑星の中でも、なにゆえ火星は文学的な創作の対象にになることが多いのだろうと、思いながら聴いていました。
こちら(http://www.um.u-tokyo.ac.jp/web_museum/ouroboros/v15n1/ouroboros_v15n1_top.html)を参考にしたということで、科学的な下敷きのある作品。こういう専門的な世界を詩的な要素を使って知ることになるというのも、素敵だなと思いました。

そして最後に女将自作の作品を2つ程、読ませて頂きました。めずらしく詩の朗読。ウィリアムズ病のせいで、影響を受けていたようです。そのうちの短いのを、ひとつ。


『知ってた』

 手足が冷える人は
 湯たんぽを
 足元ではなく 横腹の
 脇において寝た方が
 効果があるということを
 最近、知った
 でも そこは
 随分前から うちの猫の冬の寝場所

 「知ってた!?」


こんな感じの1月のうた毛でした。
今年からの新企画としてうた毛の実録化の強化を図ろうと考えています。そのために、ウェブと本とうた毛の繋がりをもっと活用しようということで、アフレポにも力を入れていこうと思います。

今回出たアイデアで、詩人談義でのあーだこーだのおしゃべりを、読み物化しようという話もでてきました!
皆さんも、ご意見・ご感想ありましたら、どんどん投稿してください。
次回は、写真や動画ももっと活用できたらなあと思います。

2月のうた毛は26日の土曜日。詳細は近々アプしますので、ぜひぜひ遊びに入らしてください。よろしくです!

うた毛 言葉の闇鍋 朗読長屋vol.31 アフレポ [レポート]

 今回のうた毛は前回日記等で「最近お見限りねえ」的な内容を女将が書いた結果?なのかは分かりませんが、なんと8名の皆様が遊びにいらしてくださり、本当にありがたく、嬉しい夕べのなりました。

 今回の鑑賞テーマは「正岡子規と俳句」。取り上げた理由はNHKドラマ「坂の上の雲」第2部が12月から始まるのに合わせて、まあ、女将の出身地の有名どころ、というのもありだったのですが、何と翌日は命日の糸瓜忌!なんだか不思議な縁を感じました。

 さて、正岡子規とは、明治の俳人・歌人。新聞「日本」・俳誌「ホトトギス」によって写生による新しい俳句を指導、「歌よみに与ふる書」を著して万葉調を重んじ、根岸短歌会を興す。また写生文による文章革新を試みるなど、近代文学史上に大きな足跡を残した人物として知られています。

 今回、女将は以下の2冊で事前に準備いたしました。
 まんがで読破 病床六尺。

病床六尺 (まんがで読破)

病床六尺 (まんがで読破)

  • 作者: 正岡 子規
  • 出版社/メーカー: イーストプレス
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 文庫



 興味の入り口にはもってこい。正岡子規の生い立ちから人生観、俳句について、個人史の要素が含まれていて、概要を掴むことができます。
 
 評伝正岡子規

評伝正岡子規 (岩波文庫)

評伝正岡子規 (岩波文庫)

  • 作者: 柴田 宵曲
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2002/07/09
  • メディア: 文庫


 子規本人の残した作品、またはその周辺の文献等から彼の人生を時間軸に沿って淡々と現している本。シンプルで分かりやすく、どの時期にどの作品を残したなどの背景も理解しやすい。

 今回は彼の作った俳句のいくらかをみんなで鑑賞。名前は知っているけれど…、この作品は聞いたことがあるけれど…、という声、ちらほら。女将は郷土教育で正岡子規の存在はそれなりに知っているので、全国的にはどうなのかあまり理解できていないので、そうかあ、と確認。

 読後、はっとするものもあれば、ただのぼやき??的なものもあり、出来に結構波があるのでは?という意見もあり、少々苦笑。たしかに。
 しかし、多くの句に見られるユーモアの感覚がとても印象的で、生きることに対する貪欲なまでの情熱、沢山の人達に愛され、慕われた人柄をそこに垣間みることができました。
 また、今まであまり興味がなかったけれど、面白く、興味を持ったという参加者の方もいらっしゃって、嬉しい感想です。
 
 個人的解釈では写真のスナップのように、言葉で切り取る「今」が子規の言う、写実主義の俳句なんだ。と理解することができました。新聞記者としての子規の姿も、そこにあったのです。
 いつか後年力を入れていた短歌の方もうた毛でとりあげて見たいと思いました。

 そうそう、今回の腹の足しはお茶請けに「坊ちゃん団子」、酒の肴はじゃこ天、ミニ鯛さつま(冷や汁)、緋の蕪漬け 、そして松山から汲んできたポンジュースという松山づくしでした。
 これも縁か、偶然その数日前に急な帰郷で松山に帰っていた女将が現地調達した品々。楽しんで頂けたでしょうか?
 あ、あとなぜか鳥取の甘い梨も最後に…。

 小休憩を置いた後、まずは初参加のたけしさんの歌とギター。特に用意してきていなかったので…と言いながらつらつらとつま弾くギターの音は、なんだか哀愁を帯びたメロディ。もう一曲、自作の歌。なんだかずーっと聴いていたい和みを持った演奏でした。
 続いてまきヲさんのアカペラポエトリーソング(?)「あいじょう☆ポイポイ」と「LOST」。むうう!なかなか大きくうなずいてしまう作品!でも相変わらずPOPでキュート。
 最後に女将久しぶりのヒトリシバイ「街灯」をさせて頂きました。ちょっと今後やりたい方向が見えてきたので、その第一弾でした。

 そんなこんなで今回のうた毛。女将としては結構理想に近い集まりになったと満足しています。まあ、結局、当日女将がどうあがこうがあがくまいが、集まって下さった皆さんがうた毛を楽しく廻してくれるのです。ありがとう。そしてまた皆さん遊びにきて、好きなようにうた毛で遊んで行って下さい。よろしくです。

 そうそう、最後に空房主人がお仕事の出張から帰ってきて、たけしさんと一緒にギターで即興の掛合い(?)演奏。そばで楽しく聴かせていただきました。

 次回のうた毛は10月30日(土曜日)。稲垣足穂の一千一秒物語をみんなで鑑賞しようと思います。よろしくぜひぜひ遊びに入らしてください。禁断の!タルホ!!

うた毛 言葉の闇鍋 朗読長屋vol.30 アフレポ [レポート]

 8月28日土曜日にうた毛vol.30、開催しました。

 参加者はKaTZさん、もえさん、永瀬さん、私。

 今回は夏も最後!ということで(暑さは全然最後ではなかったですけどね)、いっちょ怖がっておこうか、と、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の「怪談」より数編ピックアップして資料を作っていきました。
 しかし、下読みの段階で思ったのですが、割とよく知られている作品、知っている作品は、比較的小さい時に、子供用にダイジェストにされたものや、絵本、アニメ等で知った状態で記憶に残っており、’(というか、トラウマとして残っており、ですね。)普通の翻訳をはじめて手に取って、新たな発見がここに来ていくつもあり、これはみんなに知って頂きたいと思った箇所がいくらか出てきました。例えば、

・耳なし芳一、私は耳をとられることで目だけでなく、耳も不自由になってしまって可哀想な芳一さんの話だと思っていましたが、実際は耳の外の部分が無くなってしまっただけで、けがは早く直り、後世名人として恵まれた、という話だった。
・ろくろ首は、首がびよおおおんと伸びて…ということだったと思っていたのだけど、首は身体から、例えば果物が枝からむかれたような状態で飛び回って…だった、ということ。
などです。

 今回は時間がなり無くなり、みんなで読んだ作品は「狢」と「耳なし芳一」だけになってしまいましたが、相変わらずいろいろ作中突っ込んだり、亡霊武者の声をアテレコ風に読んだり、楽しく?読むことが出来ました。怪談なのにw

 しかし、これは元々は小泉八雲が英語で書いたものの翻訳。歴史的な約束事や単語を英語で現すのは、結構骨の折れる作業だったのではと容易に想像できます。八雲の筆力の達者さを再認識。八雲は執筆中は作品に大変のめり込む人だったらしく、芳一を書いているときは、芳一として奥様の問いかけに返したりと、面白いエピソードも残っており、彼の人とがらに関心が湧いてきました。

 最後に、ふと思いつき、私の気に入った一編「茶碗の中」((http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8C%B6%E7%A2%97%E3%81%AE%E4%B8%AD)ーーこれは「骨董」に収録されているものなのですが)を朗読させてもらいました。事前にお茶をちゃっと出し、少々の演出。
 舞台は本郷白山。千石とはおとなり。
 これも少々の演出です。
 なんだか怪談というよりはポーとかにありそうな幻想文学的な作品。なかなか、密かにぞぞっとする話です。
 これはもっと練って、レパートリィに加えたいと思いました。

 で、今回の「味」は、ミント冷緑茶とコールドチキンでした。
 ミントティは「ルピシア」のフレーバードティ「アラジン」を水出しにして。
 コールドチキンはマヨーグルトソース(マスタード、マヨネーズ、ヨーグルト)を添えて。これに合わせてお酒は白ワインを用意しました。
 どちらもなかなか、暑さをさっぱりさせてくれる一品で、評判も良かったのではと思います。これはまたぜひお出ししたいレシピに追加しようと思います。

 そんなこんなで、無事30回目のうた毛、終えることができました。
 最近、いろいろ模索している最中で、詰め込み過ぎだったり、至らなかったりするところがあると思いますが、みなさんに助けて頂いたり、意見をいただいたりして改善中です。今まで、「ご都合のよろしいときはぜひぜひいらっしゃって下さい」、と言っていましたが、「ご都合のよろしいときは」は省略。「絶賛ぜひぜひ遊びにいらしてください!」を挨拶にいたします。
 
 次回は9月18日(土曜日)に開催します。鑑賞テーマは、NHKドラマ【坂の上の雲】の第2部がそろそろ放映ということで…正岡子規とその俳句を取り上げてみたいと思います。
 松山出身の私としては、なかなか…緊張して?取り上げにくかった正岡子規と俳句ですが、楽しみです。よろしくおねがいします。

今回の参考本

怪談―小泉八雲怪奇短編集 (偕成社文庫)

怪談―小泉八雲怪奇短編集 (偕成社文庫)

  • 作者: 小泉 八雲
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 1991/09
  • メディア: 単行本



次回の参考予定本

子規句集 (岩波文庫)

子規句集 (岩波文庫)

  • 作者: 正岡 子規
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1993/04
  • メディア: 文庫



病床六尺 (まんがで読破)

病床六尺 (まんがで読破)

  • 作者: 正岡 子規
  • 出版社/メーカー: イーストプレス
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 文庫



文学フリマ、無事終了しました! [レポート]

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 第9回文学フリマ、うた毛としては2回目の参加、無事終了しました。
 会場は去年よりも参加者が多かったのではないでしょうか? 熱気の溢れたイベントだったと思います。
 今回、売上げの方はいまいちでしたが、前回に比べてイベントとしてのうた毛のアピールもする余裕があり、また、次回はどうした方がいいというアイデアも沢山浮かびました。

 また、近隣の方とのコミニュケーションあり、このイベントでの新たな楽しみ方も身に付いたようです。
 個人的にも、今回は割と落ち着いて他の出品作品も吟味することができ、前回よりも多く本を購入して帰りました。これから徐々に読んでいく予定です。

 今年のうた毛としての活動は、この文学フリマ参加で終了です。
 来年もうた毛、どこまで行けるでしょうか!? 楽しみな一年にしたいと思います。

 またチラシを手に取って頂けた皆様、ぜひぜひリアルうた毛に参加してみて下さい。楽しいですよ♪

 はい、もちろん次回も出店する予定です。

 そうそう、うた毛ぼんふたつめ、まだ沢山あります。
 ご希望の方は1冊400円で販売しておりますのでご連絡下さい。送料サービスいたします。

6月のうた毛、無事終了しました [レポート]

遅ればせながら、6月のうた毛、ご来店ありがとうございました。

谷川俊太郎さんを取り上げた詩人談義では、みんななにかしら今まで俊太郎さんに出会い、心になにかを置いて行ってもらった経験があるということがわかり、改めて氏の言葉の素晴らしさを発見しました。

どの作品にも、ちょっとした遊びとユーモア。
なんだか俊太郎おじさんに、遊んでもらった思い出を話しながら、まさにその時も一緒に遊んでもらっていたようです。

当然のこと、この日だけではとてもとてもタニシュンを楽しむには時間が足りなさすぎました。
すこしインターバルを置いて、また、タニシュン特集をしたいと思います。

それまでに皆さん、どんどんタニシュンを吸収しておいてくださいね!

次回のうた毛は7月18日(土)です。
宜しくお願いします。
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文学フリマ参加、無事終了いたしました [レポート]

11日、文学フリマ、参加してきました。
会場は大盛況。とても和やかな雰囲気の素敵なイベントで、楽しく過ごさせて頂きました。
文学と一言で言っても、一言では言えないような沢山のサークルが並び、手に取って熟読したくなる本があちらにもこちらにも。面白かったです。
うた毛ブースにも顔見知りの皆さん、初めてお会いする方々、たくさん立ち寄って頂きまして、ありがとうございました。
うた毛ぼんも目標以上に買って頂くことができまして、とってもハッピーです♪
ぜひぜひ次回も新刊を作って参加したいと思います。

さて、今月のうた毛ですが、うた毛ぼん作り、文学フリマと大忙しの月でしたので、ちょっぴり英気を養うため、臨時休業とさせて頂きます。ごめんなさい。

6月は第3土曜日を予定しておりますので、ご都合あいましたらぜひぜひ遊びにいらしてください。
よろしくお願いします。

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